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実録目次 |
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『新入社員の呟き 下半期 実録 〜参〜』
電車に乗って僕は必死に綴っていたのです。
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19981019 僕を通り過ぎていった人達 PART・ 山手線車内。高田馬場近く。4,50代男性二人の会話。大きな声で熱く語ってる。 奥さんとの出会い。心温まる愛情物語。 「唐沢さんみたいに恋愛小説に出てくるようないい話(語尾を下げて)。 みんな見習って貰いたい。ホントに見習って貰いたい。」 そして、僕は、電車を降りた。 愛っていうのは、抱きかかえることの苦しさと、手放すことの優しさに他ならない。 暖かな水面下でうずくまること。風通しの良い部屋で一人になること。そんなことだ。 夜君を抱き、朝一人街を歩いた。そんなことだ。 人は恋愛に対して色々な思いを持っている。恋愛の話をするのが好きだ。 キライな人だって好きなんだ。 だって僕らは少なからず恋愛という名の下で生まれてきた生き物なんだから。 唐沢さんの「恋愛小説に出てくるようないい話」は、別の人にとってはつまらないかも知れない。 だけど、唐沢さんと向き合って話していた男性の「思い」の中には、確かにいい話が存在するし、 そうなりたいとさえ思っている。 例えば、今、彼女は3つ向こうのベンチで、左足を組んでいる。 僕はここで右足を組んでいる。二人の対角線上には何も存在することはないけれど、 振り向いてしまえば、それは「いい話」に成り得るかもしれない。 例えば、ここで、ボケ−っと可愛い子が座っている。ペンを走らせてる僕が「君、カワイイネ。」 それで「いい話」のはじまり、はじまり。そんなもんだ。 ((空白)) 「星空がキレイだね。」 「ウン、私もそう思うわ。」 そんなSweet Dreamってホントにあるんだろうか。 多分、あるんだと思う。 二人して黙ったまま手を繋いで夜空を想う。 そんな時ってあった。 そんなSweet Dreamあった。 19981023 僕を通り過ぎていった人達 PART・ 「あいつ死んでるよ」 僕はそう思った。 自己の見栄とそれに伴う無能さをひけらかすのは死んでいい。 彼は、独自の世界をつくった。だが、世界に壁を作ってはいけない。 君も閉め切った満員電車にいつまでも居たくはないだろう? 風通しの良い空間。そこに人は集まり文化がカルチュア−が生まれる。 水の流れる所。そこに人は潤いを求め、ゆとりが芸術が生まれる。 彼は情報という世界とToolのみに安住しているだけだ。 今、東京はJapanは死んでいるのかもしれない。君もその中にいるし、僕も埋もれている。 ただ死を見つめ続けてそうならないように必死に生きている。そうだと思う。 今の社会において「What?」と思うことが多いだろう。 その「What?」と感ずる意識の有無が生きている者と死んでいる人達の世界との格差であり壁だ。 どちらが正しいということではない気がする。ただ、そういう時代が来たということだ。 「あいつ、死んでる」「あいつ生きてる」 死んでる世界と生きている世界。 その二つが混在する中で、僕らは生きなければならない。 〜山手線の中にて〜 19981027 おまじない 実績の出る前にー 実績の出る前にー オマエを抱くのさー 19981029 おばあちゃん再び 〜僕はペンを走らせ始めた〜 「おはようございます」 おばあちゃんは笑って 「勉強家だね」 「いや、ちょっと詩を書いているんですよ」 少し、人間的になれた 19981029 自意識過剰 ”最近の若者は自意識過剰で、自分の世界が中心とばかり思っている。 僕もそうなんじゃないかな。” |
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