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完全即興

「生み出してかないと老いるから。」

生み出す姿をお届けしたいと思い、本年から思い切って【妄想壁画】のライブ動画をアップしていくことにしました。「思い切って」と書く意味は動画を観て頂ければ充分お分かりになるでしょう。「世界ブルー」として、もしくは「あおきまさと」として活動していくと、それは好い時も悪い時もある訳ですが、自分自身に持って貰える有難い感想や印象、はたまた付けられてゆく形容。活動すればする程、それら「感想」「印象」「形容」は蓄積されます。結果、実績や経験、お客さんにとっての記憶に繋がります。そうなるとアーティストの中には保身に入る人もいるでしょう。評価に甘んじたりします。

そういった「感想」「印象」「形容」を壊すようなステージ、常に僕自身に刺激(以上の怖さ)を与えてくれるのが【妄想壁画】です。これは、僕が13歳の頃から続けている「生曲」。つまり「曲を生み出す」姿そのものを観客の前で披露する、というものです。メロディーも即興、歌詞も即興、体の動きも勿論(笑)即興です。完全にゼロの状態から何が生まれるのか?というチャレンジングなステージなのであります。だからこそ、時にはみすぼらしくなったりするかもしれません。時には英雄になることもあります。ほんとに分からないのです。なぜならば、「何が生まれてくるか分からない」から。それが【妄想壁画】の醍醐味、面白みです。そしてやっている本人は恐いのです。ステージ直前、逃げ出したい気持ちです。分かりますか?

僕は常に「今を」生きています。そう思うと、人様にある意味誤解を与えるかもしれないステージを観て貰ってもよいのです。何故ならば、それが僕であり、そんな僕を感じて貰うのが、そもそも僕のメロディーの在り方だからです。「メロディーっていうのはこうやって生まれるんだよ」というメッセージを体を通して、ステージを通して、受け留めて貰うことは、世界ブルーの世界観の構築へのプロセスを理解して貰う上でもおおいに役立ちます。【妄想壁画】ではメロディーの原石に触れて貰える。そういうところからアルバム作品に収録されるような曲が出来上がるんだなぁ~、って分かって貰うと、より楽しめます。

もう一つ【妄想壁画】の公開理由を。震災後の東京は「日常」や「素直」「リアル」に向かっていきました。急速に。みんな「気付き」を得た訳です。と同時に僕は、自分の存在意義を見失いました。そもそも「気付き」を得て欲しいと思いライブをしていた訳です。特にこの【妄想壁画】はそうです。異端や例外性を認めること。それは大きく解釈すれば世界平和に繋がります。弱いものを助けたり、認めたりする精神。勇気を持って前進していく者を褒め讃える気心。人と人との許容。そういったメッセージを投げかける意味が震災後なくなった、と僕は感じたんです。

でも、結局のところ、どうでしょう。人は大切なものをどんどん忘れていってしまう。
「やっぱり、音楽や表現、アートは常に必要だなって感じます。」
そこ。今、そう感じています。

さらに、僕としては、必要不必要ではなく、そこを超えたところで。
また、僕自身の生きる時間、生命そのものへの希求。
そして、やはり、メロディー。メッセージ。世界ブルーへの希求。

そんなこと感じて、今回、【妄想壁画】を公開させて頂きました。
公開すること自体が、また一つ、僕ならではの活動、と信じています。

2014.1.18 15:33 世界プルーン【Live to Love, Love to Live】公開


もどかしい姿をそのままパッケージした妙画。特にあおきマニアの方、クリエイターの方は必見です。生きること、生み出すこと、ライブとは? パフォーマーの方々は是非、喚起の材料として、とくと受け取ってください。


1、「追う鳥(妄想壁画)」

ゼロからすべてが生まれる完全即興:【妄想壁画】
2011年。震災後初のステージはポエトリー・ディング・イベント『Round Poetry Party』に出演。

 


2、「2011年4月29日の日常(妄想壁画)」

アーティストあおきまさとのもがく姿を見て頂けます。 歳を経ても、皆さんにもまだまだ色んなことに挑戦して欲しいと感じます。

 


3、「僕は僕だ(妄想壁画)」

2011年4月29日に催されたROUND POETRY PARTY。後楽園CAFE & BAR ROUNDではあおき自身が目指したスタイルは? 完全にフリーになることで、日常と非日常との境界を、そもそもその線はなかったのだ、と後から気付かされるものであった。本来もとてもリスキーなmic一本の完全即興ステージ=【妄想壁画】。通常は最終的には「ライブ」「ステージ」意識し「観客」と呼応しつつアイデンティティーを強く打ち出してゆくのに対して、この日は敢えてコンディションも下げ、テンションも上げない、という完全無慈悲なる自身に対するサディズム。それを比類なきマゾヒズムとしてステージ上で成し遂げたあおきまさとに称讃を贈りたい。皆さんは付いて来れますか?

後楽園CAFE&BAR ROUND

  • ROUND POETRY PARTY
  • 2011-04-29
  • 後楽園CAFE & BAR ROUND
  • 22(司会進行、企画)