♪質問 その1♪ −−−−− ご自分の音楽を他人に聞かせはじめて、どれくらいになりますか? 世界ブルー 学生時代、卒業論文のつもりで、自身でラジオ番組仕立ての音源を創ったんですよ。 それまで出会った人々に聞いて欲しくて。 コミュニケーションのネタとして楽しんで貰おうと。 それが1998年の冬でした。 結構このアクションが僕の表現活動の原点だったのだな、と最近感じています。 |
♪質問 その2♪ −−−−− 衝撃を受けた曲や演奏は、ありますか? 世界ブルー 小学4年生の時聴いたビートルズの「We Can Work it Out」。 サビの部分は震えましたね。 「メロディー、こう来るか?」みたいな。 同じ旋律が「ひとつ、ふたつ、みっつ、、、」ってよく数えました。 って、そういう曲は沢山ありますけどね(笑) 当時はびっくりしたんですよ。 また中学2年の頃『リボルバー』の「エリナーリグビー」。 これこそ衝撃的でした。 震えたんで。 凍り付いたっていうか。 結局、アルバム全体を通して、必死で聴き入りましたよ。 今でも『リボルバー』はバイブルです。 邦楽で言えば、ピチカートファイブのアルバム『overdose』の「Airplane」。 それまで洋楽しか聴いてなかった僕が、邦楽や日本語詞に関心を抱き始めたのもこの頃です。 一言でかっこいい。 音楽雑誌的になっちゃいますけど、本流でない所で本流の精神を貫いてるな、って。 やられた、って正直思いました。 当時の僕の創作レベルが稚拙だった事はなしとして(笑) |
♪質問 その3♪ −−−−− 小4でビートルズとは、早熟ですね。 ところで、CDにあるご自分の曲や演奏のなかで、特に気に入っているも のは、ありますか? 世界ブルー 今回発売した『from here on』の中からだと、「通り雨」と「Ever Lasting」。 メロディーと歌詞、そしてアンサンブルから生まれる透明感が好きです。 僕自身のユニット名"世界ブルー"を要約してくれていると感じます。 時間と空間が僕なりに表現されているんですよね。 ライブ演奏では「年の瀬」「Island」「爪跡」「空が青いのは」。 他には出せない空気がちゃんと存在しているから。 まぁ単にこれらを歌うのが気分いいっていうのが理由です。 |
♪質問 その4♪ −−−−− 「世界ブルー」という名前の由来を、聞かせていただけますか? 世界ブルー 1997年10月のパリで生まれました。当時僕は人との出会いであったり、想像力であったり、 可能性やまだ見ぬ「何か」にとても関心を寄せていました。 二十歳そこそこなりに漠然と追い求めていたんですよ、「普遍性」を。 それを言葉として表す事ができたのが、「世界ブルー」です。 エッフェル塔で見渡した空の透明感や広がり。すがすがしい気分。 「あぁ、繋がっているんだな」って。「青い空の下ですべては繋がっている」って。 だから、"世界ブルー"は僕の生き方なんですよ。 それを音楽のユニット名として始動したのが2003年初め。 一生"世界ブルー"やっていこうっていう覚悟ができたんですね。 音楽においてもやはり僕自身でいいんだ、って。 だから、"世界ブルー"イコール僕なんです。 |
♪質問 その5♪ −−−−− 音楽におけるジャンル分けを、どうおもいますか? 世界ブルー 創る側としては、必要ないんじゃない?って思いますけど、でも、例え ば、僕が音楽の事まったく知らない受け手だとしたら、やはり「ジャン ル分け」されてて欲しいですね。 手に入れ易いですし。 今回発売するにあたり、僕のCDは「J-Pop」の「インディーズ」に区分 けされる訳ですよ。 自身としては「え? J-Pop?」ってちょっと抵抗あったり。 「どちらかと言えば、洋楽好きに聴いて欲しいな」とか思っちゃいますからね(笑) でも、それって創り手のエゴかなって感じてます。 日本人が日本語で歌って、日本で活動している。って単純に考えると、 まぁ「J-Pop」が一番、受け手にとっては伝わり易いですからね。 |
♪質問 その6♪ −−−−− 理想的な音楽の聴かれ方は、どういったものですか? 世界ブルー 僕自身が一人で部屋でじっくり聴いたり、眠る前にイヤホンやヘッドフォ ンで密やかに聴いたりするのが好きなので、「オリジナルアルバム」を 「ひとりでじっくり」聴いて貰いたいです。 って、こんな事書くと、ファンの皆さんは「じゃあ、私達に見せてるラ イブステージは何なのよ!」って怒られるんでしょうけど。 「聴きたい」って感じるナンバーを「聴きたい」時に聴いて貰いたい、っ て事です。 あとは、逆に、どこへ行っても自然に僕の曲が商店街とか野球場とかで 流れている環境?「誰の」「何という曲」と意識されずに、自然に耳に 触れる存在になれたら、って思います。 「強く深く聴いて欲しい」と「広く流れて素通りして欲しい」の双方が 理想です。 |
♪質問 その7♪ −−−−− 「環境」ということからエリック・サティの「家具としての音楽」を思 いだしたのですが、サティなどはお好きですか? 世界ブルー 好きです。僕はいつもビートルズ、ビートルズって言っちゃうんですが(笑) 聴き込んで「うわ!」って感動できる音楽同様、聞き流される事で空間と時間と 無意識に一体となっているそのものもとても素敵だと感じます。 これを書くとまた誤解されますが、「音楽なんてどうだっていいんだよ」って 感じる事があるんですよ。ライブバーとかで演奏する時に、お客さんはふらぁ〜っと 立ち寄ったお店で、恋人や親しい仲間と美味しいもの食べて単に楽しくお喋りしたい訳ですよ。 そんな時に、その場に馴染まない音楽が流れると僕だったら不快感を感じますね。 表現する側としては、お客さんを振り向かせたいんでしょうけど。 馴染む以上の刺激や感動を与えられるのであらば、訴えかける価値はあるかな、って思います。 「音楽なんてどうだったいいんだよ」 それは、投げやりなのではなくて、 そんな絶望に近いスタンスを前提としつつも、やっぱり僕は希望を持って音楽を 提示していきたい、っていうパワーの源だったりします。 |
♪質問 その8♪ −−−−− 演奏したくないときは、ありますか? 世界ブルー 純粋に演奏という事になると、一人で誰も聴かれない状態で自由に弾き 語りするのが一番幸せです。 あんまし人前では演奏したくないですね。 逃げたいって書いた方が分かりやすいんでしょうか。 自信がないんですよ。 ステージを持つ事に。 すっごい緊張しますしね。 なので、ライブに関して言えば、ライブ前はいつも演奏したくないんです。 で、ライブが始まっちゃうと、もうそういう気持ちはどっかいっちゃって、 僕もイッチャうんで、そこまでイキつくと快感になります。 演奏始めちゃうと最高に気持ちいいのが不思議ですよねぇ。 |
♪質問 その9♪ −−−−− 現在の音楽マーケットや音楽シーンを、どう思いますか? 世界ブルー 今回、宣伝から営業、販売にも絡んでいる訳でして、そこで感じるのは、 流通とかってお客さんの立場にも立っていないし、アーティストの立場 にも立っていない、と感じますね。 でも、文句は言えない。 だってそれは音楽だけじゃなくてどの分野の産業もそうなんですよ。 ビジネスとして捉えると「厳しい」どころか「無理」ですね、普通に音 楽やってるだけじゃ。 みんな感じてる事だと思うんですよ。 売る側もプロモートする側もリスナーの皆さんもアーティスト側も。 でも、打開策を打てない。 打とうと思ってもポシャる。 で、もがく。 少なくとも、もし、問題を感じるのであれば、どうやってそこをクリア しようか、って考えていきたいですね。 でも、こんな僕でさえ、何とかやってこう!って思える所まで来てるんで、 希望はあるのかな、って感じてます。 音楽はいざ知らず、ビジネスはいつの世も問題提起ですからね。 覚悟しないと。 |
♪質問 その10♪ −−−−− おっしゃるとおり、いわゆる業界の方々も音楽流通の問題は感じている と思いますが、その問題点はどこにあると思いますか? それを受けて、新しいビジネス・モデルを提起されていく、ということ なのですよね。 世界ブルー 難しいです。答えるのが(笑) ひと言で言うと便利になり過ぎている、 という事ですけど。世の中にアーティストと呼ばれる人達が何故に こんなに沢山いるんだろう、っていうのが不思議です。 音楽だけでなくデザイナーやイラストレーター、フォトグラファーといった クリエイターの人達や、ひと昔前流行ったプロデューサー、 今で言えばディレクターやキュレイター???、、、 多過ぎると思うんですよ。 みんながみんな芸術家やクリエイティブな仕事人になれちゃう 便利な時代なんだなって。 便利だから「出来る」事と「出来ちゃう」事が増えて来て、 自己表現の質もかすむのも仕方ないかな、って思います。 流通。本来、小売業やビジネスってどんどん淘汰されていくものだと思うんですよ。 会社組織にしても同様。「時代遅れ」とか「古い」とか。 でも、音楽においては、それさえもファッションに成り得たりする訳じゃないですか。 「何でもあり」になっちゃう。 願わくば、売る側もモノを流す側もライブハウスのブッキング担当者も 御自身の評価基準っていうものを持って頂ければ、と思いますよ。 音楽、特にアーティストや楽曲に対する目を養って欲しいですね。 生意気ですよね、僕(笑)。 例えば、中古でよく「掘り出し物」ってあるじゃないですか。中古なのに高値付いてたり。 逆に、一時期大ヒットを記録したものが今はタダ同然で売られていたり。 これって面白いなって思います。 愛されている商品ってやっぱり「掘り出し物」なんじゃないか、と。 なので、僕がもしビジネスの側に立つのであれば、 「掘り出し物ランキング」ですべてが決まってしまうような音楽市場を 形成できたら面白いな、って思います。 そうすれば、無理して新しいパッケージを生み出そうとするレコード会社は 少なくなるでしょうし、どんどん淘汰されて、 ほんとに「売りたい!」「奏でたい!」「伝えたい!」っていう人だけが 音楽業界を支えていく事になると思うんで。 その時は音楽を続けるのがより厳しくなると思うんです。 僕はすぐ淘汰されるかもしれない。 でも、「伝えたい!」んで続けていく訳ですね。 便利とか不便とか関係なしに続けていくでしょう。 |
♪質問 その11♪ −−−−− 今後の抱負や活動予定を、聞かせていただけますか? 世界ブルー はい。 ひとつは今回ようやく発売に至りました『from here on / 世界ブルー』を 世に広める活動をしていきたいです。 僕としては大切に創ってきましたし、すべて自身の意志で完成まで持ってこれた 100%世界ブルーの作品なんですね。 なので、これを聴いて頂かない事には始まらないんです。 僕は多くの人に聴いて欲しいと思うし、であれば、やはりそのための努力をします。 それから、次の作品、その次の作品、と制作していく予定は決まっているので、 それを創りたいように創っていきたいですね。 いつか第三者的存在の人が介入して来る事があるかもしれません。 音楽面でもビジネス面でも。 でも、それでも僕は僕のスタンスや価値観、イメージを強く作品に封じ込め続けたいですね。 創り続けます。 それが好きなんで。 |
♪質問 その12♪ −−−−− なるほど。 最後になりますが、音楽やビジネスに対する世界ブルーさんのスタンスを、 もうちょっとだけ聞かせていただけないでしょうか? 世界ブルー 僕はもう思春期を過ぎた頃から、やりたい事が決まっちゃってるんです。 それは、これまで生んで来た曲、それが何千曲、何万フレーズとある訳で、 それらを作品というちゃんとした形で完成させたい、と。 少なくとも、自分なりに選び抜いた曲が300曲から500曲、 この際曲数はどうでもいいんですが、 それらを、僕が「おぉ!」って思う形として世に残したいんですね。 これが"世界ブルー"のスタンスです。つまり、アルバムを沢山創るって事です。 創ったものは、沢山の人に聴いて欲しいんですよ(笑) 世界ブルーの名前の由来にもあるように、もともとはコミュニケーション=繋がっている、 っていうのがコンセプトなんで。というか僕の生き方なんで。 創ったものを沢山の人に聴いて貰う。 それを第一に今後も活動していきます。 −−−−− 今回発売された【from here on】に収録されている「Make Me Happy!」 と「通り雨」のそれぞれが、カレッジチャートジャパンの2位・3位と好評のようですね。 ますますのご活躍を、期待しています。 世界ブルー ありがとうございます。 |