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細胞と宇宙 2010.12 |
歌って踊ること
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今年の4月から始めたアルバム・パッケージの作業を今日よ〜やく終えた。2,3カ月で完結するかと思っていたけど、凝り性なためか年の大半を使ってしまった。8月にDigestCDを、10月に4作品、11月に3作品の計8CDs。音源編集に始まって選曲や曲順・ステージ順、ジャケット表紙から曲目や歌詞カード、レーベル面のデザイン、そして印刷とCD焼き付け。仕上がったものに修正を施したりしていたらもう冬だ。表現の意味では既に新しくスタートを切っているけど、これで創作も再スタートを切れる。Macも初期化し直してまっさらな状態に。クラビノーバも拭いたりして。
CDパッケージ。やみくもに作品化するのは好きじゃない。そこには意味がある。人生の云充分のいちを使っている訳だから。たとえば先程焼きあがった【東京ブラックホール】のDVD。これは術前最後の声もさることながら、散々ライブをこなしてきたことによって存在自体に自信が伺える。このオーラは努力だけでは得られない産物だろう。他にも振り返ると【僕はウグイス唄いましょ】の世界ブルーバンドステージ。和やかな空気をスイっと超越した歌声がある。他にも聴くことをお薦めしたいのが【繊細 音像の構築と抽出】の下北沢mona recordsのソロ弾き語り。これは一つのドキュメンタリーでもあり、演奏と歌に肉感がこめられた名演だろう。何度も触れている【からっぽ巡り】の代々木ブーガルなんかは一曲目の「愛しさと〜」だけで世界ブルーの魅力が充分伝わってくる。どのステージもラストの曲の妙技が素晴しい。【僕らはどこへ向かってゆくのか】なんかは当時"今 此処でしか有り得ないステージ"なんて銘打ったけど、ほんとにそうなってしまった幻のバンドライブだ。そしてこれらどれもが散々努力して鍛錬した結果得たステージングだということを肝に銘じなければならない。
僕はここのところ毎日必要もないのに踊っている。それは単純に楽しいから。そして思う。たしかに便利な時代になったけど、だからといってパソコンや携帯といったメディアを通じて、歌がうまくなる訳でもないし、踊りを楽しめる訳でもないんだな、と。1999年当時、僕は耳だけで音像を構築していった。2000年から目も使うようになって便利になった分、感覚を研ぎすますためのエネルギーを使ってきたように思う。
安易に便利を買い、お得に時間を費やすのだったら、僕の作品にじっくりと耳を傾けてみてはどうだろう。きっと生き方が研ぎ澄まされるはず。生きる存在そのものに戻ることができるはず。そして僕はもう一度。せっかく今、体内に細胞と宇宙を感じているのだから。初心に戻って。せっかくの再スタートを思う存分、細胞と宇宙で埋め尽くしていきたいと思う。
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