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からっぽ巡り 2009 最終章 代々木ブーガル

雲の上に浮かびながら虹も見えました

 

一人でも楽しいって感じていたけれども、誰かと手を繋いで歩いていきたい、って初めて強くそう思った。

Yumi K.様より


1、愛しさと切なさと悲しさと儚さと
2、空が青いのは
3、透明
4、表参道
5、クリーム&シロップ
6、空飛ぶ回転木馬

アルバム試聴【からっぽ巡り】
旧サイト【からっぽ巡り】


代々木ブーガル 本番直前その1 代々木ブーガル 本番直前その1
代々木ブーガル 本番直前その2 代々木ブーガル 本番直前その2
代々木ブーガル 本番その1 代々木ブーガル 本番その1
代々木ブーガル 本番その2 代々木ブーガル 本番その2


♪ボンジュールあおきの世界ブルーシルブプレ♪寄稿

~からっぽ巡り2009冬春 最終日前日 所感~ 2009.3.16 22:16

とうとう明日で今回の巡りも最終日となってしまった。

2月初めから始めたリハーサルから約一ヶ月半の間はとても寒い毎日で、その中を試行錯誤しつつ、回を増す毎にテーマや気分、コンセプトが変化していって、本当にまるで旅をしているようであった。でも結局は自分の中にあるもの。それがすべてだったように思う。

ライブ本番前に言うのもなんだけど、なんだか寂しい気分になる。旅を終えたつもりが、実はこれから旅立つようでもあり、「からっぽ巡り」という一つの季節とのお別れのように感じるからだ。それはきっと「春」だからだろう。達成感があって喜ばしいのに寂しく感じるのは。

僕は「自分探し」という言葉はあまり好きではないけれど、なんていうんだろう、今回の巡りにおいては自己を随分と見つめる時間を持てた。何が心地好く、純粋であること、研ぎ澄まされる時間・空間、音や歌声を通しての喜び、過信への戒め、努力はしてもしてもするに値するものだということ、磨けば磨くほど備わるということ、小細工や形にとらわれるのではなくやはり最後は自分の存在そのものを深い底から表す・打ち出すに尽きるということ。また巡るには当然「見聞」もつきもので楽しかった。

明日で終りか。まずはしっかりと最後まで気を抜かないこと。そしたら、巡りの思い出にゆっくりと浸ろうかと思う。

 

 

~からっぽ巡り2009冬春 最終回 代々木ブーガル~ 2009.3.18  

深く寝入ることができた。
朝7時に太陽の光で目が覚めて、体を動かしたくなった。
たまった洗濯物を二回に分けて洗濯機へ。
お風呂を洗って、流しも食器を洗い終わりすっきりとした。
掃除機をかけ、洗濯物を干し終える。
冷蔵庫には何もない。
幸い、昨晩お客さんから頂いたガーリックラスクが目に入りそれをバリバリ食べる。
シモサカフレンチを淹れて、仕舞ってあったクッキーも添える。

代々木boogaloo。
昨日のライブ。
言葉も何もいらない。
敢えて今思いつく心境を述べると「無」だ。
だから、言葉が出てこない。
きっといくら言葉で表現したとしても的確な言葉は存在しないだろう。
ステージに僕自身が宿ってしまった、それ以外の何物でもない世界ブルーそのものだった。2009.3.18 9:57

 

満たされると言葉は出てこないし、成し遂げると言葉は出てこない。
でも、敢えて、僕は言葉を探してみようかと思う。
その「言葉」が単なる羅列となってしまったとしても。

細かいひとつひとつのニュアンスを素粒子を例えるならば、それらの集合体が宇宙だ。昨晩のステージは「宇宙」だった、なんて大それたことは言わないし、感じたものはそれではない。ただ「空」だった。しかも、個々がイメージする空というよりも、僕の「世界ブルー」がそのまま出た。素粒子の集合体を空、または世界ブルーとしてみるならば、そんな見ることのできない(というか、見えない)粒の一つ一つが空となって、その空さえも見る必要のない、言わんとするのは「空に同化」できたステージ。

お客さんの言葉を借りれば、「雲の上に浮かびながら虹も見えました」。2009.3.18 10:08

 

世界ブルーの存在としての欠点は、「在る」だけだ、という点にあるかと思う。
そしてそこに僕は魅力を感じていて、決して「押しつけがましくなく」(昨晩のお客様のお言葉)、観る人聴く人が持つイメージや感受性を限定させない広がりを持たせている点を「インパクトがない」「アピールしていない」と評す人がいることも確かだ。また「どのジャンルにも属さない(そぐわない)」「独特」な世界に触れて、どう形容していいのか分からないのだそうだ。そこに「感嘆」のため息を漏らす方々も入れば、「嫌悪感」や「違和感」を持つ方々もいる。

そう。「在る」ということ。僕はただ深く広く高く描いている人に他ならない。その姿を見せ、その「在る」世界を感じてくれた人が自然と一緒に歩いてきてくれている。

「一人でも楽しいって感じていたけれども、誰かと手を繋いで歩いていきたい、って初めて強くそう思った。」

時には辛口な、ご本人にとっては素直な意見を下さるお客さんから、思いがけないお言葉を聞くと、僕は「在る」ことを続けていきたいと勇気を貰える。「在る」こと自体に自信を持つことができる。2009.3.18 10:26

 

昨晩のライブについて。。。
まだ思い出せない。というか、体では感じることができるんだけど。。やはり、「無」というか「素粒子」というか「水蒸気」というか、、、「空」というか。。。色も透明に眩しい光が心地好く映る感じ。温度は涼しくもあり暖かくもある。

そういった光景はライブ音源を聴き返しても見えてくる。

1、愛しさと切なさと悲しさと儚さと
一曲目からすんなりと歌えた。喉も指もゆったりしていた。
今回はいつもよりも15小節ラストに加えた。
そして、この曲を終えた時には正直、、、もうお腹いっぱいになってしまった。
自分自身で満たされてしまって、もう演奏する必要ないんじゃないかな、って感じてしまった。最初から世界観にどっぷりと入ることができたのはこの一曲の存在を成すことができたからだと感じている。

2、透明
余裕が出たお陰で、声のトーンを敢えて乱してみたり、ライブならではの寄り道をして楽しんでみた。歌そのものもサビにおいては芯が強くブレがまったくなく、体操でいえば魅せるところと遊びの箇所がコンパクトにまとまった好演技。2009.3.18 10:41

3、空が青いのは
国分寺ラバーソウルでの演奏が気に入っており、それがグランドピアノでできたらな~、と感じていた。今回はどうだったんだろう。かなり、ディープな世界観で、今回の中では一番あくが強い演奏だったかと思う。初めて聴く人にとっては三拍子である点と耳慣れないコード感であるところに、今回かなり抑揚が付いて変速した。逆に「グランドピアノよりも演奏者の方が大きく見えた」というお客さんの感想は、この曲の演奏によるところが大きいかと勝手に解釈してみる。随分とピアノを酷使というかサディスティックに操っている自分がいたな、と感じる。この曲でもやはり空に存在していることがもうすでに当然のような気持ちになってしまって、素粒子を搔き分けたり、ふわっと放ったり、そんな気分になれた。

4、表参道
朝の空から今度は夜空を描いた。今更気づいたが、今回の演奏曲目は「空」を題材にしたものが多い。直接「空」と歌詞が印字されているものは「愛しさと」「クリーム&シロップ」以外の4曲。ここ代々木でのステージはまったくコンセプチュアルなものを目指していないにも関わらず、「一曲一曲ではなくステージを通しての好さがあった」のは、自然な流れなのかもしれない。ここに来てようやくお客さんは掴み所のある感じを受けて下さったのでは?と期待したい。2009.3.18 11:00

5、クリーム&シロップ
味わいのあるものだった。この曲は聴き手にとって馴染み易いらしく、でも明かすと演る側にとっても安心してしまう曲。「サビはいいけど、他の箇所は何を言っているのか分からない。」という意見も以前頂いたことがあるので、今回、敢えてAメロを際立たせるように歌い口をしゃべりかけるようにラフに歌ってみた。そうしたらやはり肌で感じるお客さんの反応は1番のAメロ途中から引きつけている感があった。細かいところひとつ変えると反応が変わるものなんだと実感した。以後、精進したい。また、この曲を終えた時点でも、もうこのステージは終わりというか、満腹な思いをしてしまった僕がいた。

6、空飛ぶ回転木馬
なんだかすでにアンコール扱いの気持ちで歌ってしまった。サービスというか。。やさしい気持ちでステージに添えるように。「表参道」で声を張り上げ、「クリーム&シロップ」でダンディズム(寝起きのような抜いた声&あくのあるボーカル)ときて、この曲ではなよっとした中性的な歌声となった。自分でも歌っていて不思議になってしまった程。最後の曲でやさしくのびやかに歌うことができステージを後にした。ありがとう。また会う日まで。2009.3.18 11:13

 

いかがでしたでしょうか。今回の「からっぽ巡り」。
いろいろ思うところを書いては見たものの、やはりそれは言葉の羅列にすぎない。
でも、その言葉から想像を膨らますこともできるし、言葉では伝えられないもどかしささえも伝われば本望。

計5回のステージはどれも色合いが異なって、当然お客さんやお店の方の反応も異なって、僕自身も反省点や感じるものがその都度変わっていった、面白いものでした。なんだか、楽しい。当然、自己満足で終えることができないからこその苦しみというか試練があって。そこへ向かう道程が結構厳しくて。自ら設定したにも関わらず(笑)

こうやって文章を読んでいくとまるで旅日記。どこで誰と出会って何を食べてどこそこ歩いてボラレテスラレテ、数々の親切にあって別れるのが辛くなったりとか。

今回は実際の金銭面においても、お客さんとして来てくれた方々は当然のこと、お店側も優遇してくださったりして、こういうこともあるんだなー、と驚きや喜びもあって。音や舞台の面でもその店の個性というものが出ていて、録音した音源を聴くだけでもその店の雰囲気を感じ取ることができます。

せっかく旅した訳だから、旅の写真をアルバムに収めるように、音源を整理してみようかな。僕なりの「からっぽ巡りアルバム」みたいなものができるかもしれない。ページを一枚一枚めくるように聴くことができたら楽しいだろな。

あらためて、今回関わってくださった皆さん、ありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。2009.3.18 11:30

世界ブルー あおきまさと

からっぽ巡り

  • からっぽ巡り 2009 最終章 代々木ブーガル
  • 2009-03-17
  • 代々木ブーガル
  • K.Imaoka(photo撮影)、Yumi K.(コメント)