♪桃色理想 - 序章♪ 私は夢を見ている。それは私自身の夢ではないかもしれない。そうかもしれない。 夢の中に包まれている訳ではないの。夢を掴もうとしている。それが何なのかって、私は知ることになる。 |
♪桃色理想 - 出会い♪ 総武線に揺られながら、東京の東の果てから西の果てへ、西の果てから東の果てへ、揺られながら考える事。知らない顔達が私の事を見てる。私だって知らない顔達を見たりする。そこから出会いへと発展する事はないのだけど、それでもその目の合う瞬間っていうのは、なんだかとても「これから」というきわどい心の動きだったりする。 私はこれまで、だからといって何も発展した事はないのだけど。。。そう言うと嘘になるかもしれないのだけれど、でも、発展はないって言い切っちゃう。 「これから」を危ぶむのは簡単だ。でも「今じゃない!」っていう強い思い込みが、「これから」へ向かう私を形作っているような気がするの。 |
♪桃色理想 - ループ♪ 最初に付き合ったひとに言われた。「約束の時間守れないようじゃだめだよ」 次に出会ったひとに言われた。「金遣いいい加減な子って信用できない!」 こないだ別れた彼氏はこう言う。「そうだね。時間と金がいい加減じゃあねぇ。恋愛や酒に溺れる方がまだましじゃない?」 そう言って、別の女性と付き合ってることを知って別れた。 今の彼は、ただにこにこ笑っている。そんな彼が怖い。 |
♪桃色理想 - 比較♪ デパートでのお洋服を買うのはとっても楽しい。 その後、母とカフェでゆっくりして、帰りに雑貨屋さんに立ち寄って。 でも、私の周りにはお金のない友人が沢山いる。働いてないから。 彼女達の生き方。それを私は否定したくない。だって、彼女達はやりたい事をやるために生きてるから。 私にはこれといって「これ」ってものがないから、夢を持って生きている子達が羨ましい。でも、多分、私は私でしか在り得ないのかもしれない。 気に入ったお洋服を買って、美味しいお店で気の合う友達と、恋愛の事、大学の事、バイトの事、会社の事、、、そんな事話すの。そういう普通の生き方も悪くない気がする。だって、今私は結構楽しいんだもん。 |
♪桃色理想 - はじまり♪ 私は周りの女の子の友人達からはコンサバって言われてるけど。実際そうでもあるようにも思うんですけど。 でも、あれよね。旅に出ると、人は変わるっていうけど、私もそのようでもあるの。 以前、パリに出掛けた時に、マルモッタン美術館でうっとり絵を眺めてたの。そしてちょっと疲れて近くの公園でガイドブックを見ていたら、ハローって声掛けてきた若い男の子がいて。 彼は、日本から留学中のまだ高校生の男の子で、でも身長は高くて、割とハンサム(‘」‘) 「どこから来たんですか?」なんて聞いてくる。私はその時友人と離れて独りで市内を回っていたから、ちょっと手持ち無沙汰だったし、彼も気易く隣に座るから、断るのもなんだし、、、旅だし(*_*) 何を勉強しているのか、どのくらい住んでいるのか、、、色々聞いてみたいことはあった。彼は高校生にしてはとっても思慮深い。ジェントルマンっていうのかしら。 その時は、別に何も意識してなかったんだけど、後から考えると、、、。まぁ、そういう事もあるわよね。そういう話は、、、後で(ごめんなさい。今夜は早く眠らなきゃいけないの) |
♪桃色理想 - 気球♪ 隣で英字新聞を読むOLさん。彼女は端から端まで読み耽っていた。きっとこの人はペラペラなのかな。 もし、私もそうであったなら、昨晩の彼らとの夜はもっと楽しいものだったかもしれない。でも、言葉が通じなくてもなんとなく分かり合えるってこと、ある。それは笑顔だったり、仕草だったりする。一緒に踊ったり、笑い合ったり、歌ったり。 世界はどこかで繋がっていて、あなたと私もどこかで繋がっている。そんな事思ってみた。 |
♪桃色理想 - 堅気♪ 久しぶりに友達と話して、ちょっとどきどきしてみる。彼は昔ちょっと好きになったことがあって、今も友達なんだけど、でも、彼の生きる勢いとか前へ進んでいこうという姿勢ってやっぱし素敵だなって思う。男ってやっぱし、こうでなきゃ☆ |