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  私的随喜    Private Column
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吸収したい             
そういう気持ちが久しぶりにやってきた
そう 僕は吸い尽くす        


3月11日掲載「読書のすすめ」  3月17日掲載「電話のすすめ」  3月24日掲載「旅のすすめ」画像あり


 ♪読書のすすめ♪


 気持ちがダウンしてしまったり、ロウになったり、となかなか生きるに従って、苦しくないかい? みんな。急に寂しくなったり、孤独感、虚無感、失滅感に襲われたりする事はないかい? 誰もがそうであるように、僕自身も中学二年生の思春期辺りから、全くもってして気持ちが塞がる事が多い。「人間考える葦である」とか「人間は悩む生き物」とか、そんなのは慰めにも何にもならない。それよりか「なぁ〜んで俺ってこぉ〜んな暗いの?」って自分の性格を呪う事の方が多かったりする。それでいて外では結構うまくコミュニケーションとれるバランス型の人間とか思われてたり、八方美人というあり得ない勲章のような四文字熟語を僕に当てはめてくれちゃう人も少なからずいる。って、多分、読者諸君も僕と数回話せば、やっぱし「あ、このヒト気さくな人・」なんて思うに違いない。
 ちなみに、この『私的随喜』は丁度二年前の2001年4月から連載しているんだけど。前にこういう事があった。そう。僕と直接会うよりも前に、この『私的随喜』で僕を理解してくれた人にとっては、いざ実際に僕に会うと「僕」っていう存在は案外軽やかだったり爽やかと映るらしい。癖がないというか。アクがないというか。バランスとれちゃってるというか。しかも、結構残念そうにこう言うのだ。「あおきさんってもっと、こう、イっちゃてる人かと思ってました」「普通の人なんですねぇ〜」 おいおい、もっと乱れて欲しいんかい?!
 内と外ってあるじゃないですか。ねぇ。本能と理性でもいいけど。対面と本音、とか。僕は実際にどこにおいても正直に生きてるつもり。だけど、そりゃ、人様に対しては気を遣うさ。っつうか、気を遣わない人間って好きじゃないんだよね。神経質って言われればそれまでだけど、生きてて思うのは、社会においてなんと気を遣わない我儘な人間が多い事か。まぁ〜、いいか。結局僕は、嫌な奴に見られたくない八方美人なのかもしれないな。自分の欲求を押し殺してでさえも、相手に迷惑のかかるような事はしないようにしている。まぁ、それもどうかと思う所もあるけどね。人生一度しかないんで。まぁ、でも好き好んで人に迷惑はかけたくないですね。
 で、、、なんだっけ。そうそう。つまり、皆さんもそうだと思うんだけど、普段友人や仲間の手前と、夜の感性が非常に高ぶる独りの時とは、きっと心の様相が違うのではないか、と思います。分かり易く書けば「二重人格」かな。二面性でもいいし、それこそ内と外ですね。

 今回、僕が何を話そうかって思ったのは「孤独感に襲われたりしたら、読書がお薦めよ・」という事なのです。話が大分飛んでましたよ。あは。そう。僕の孤独&虚無のサイクルは大体学生の頃は月一(「つきいち」と読みます)だったんですが、脱サラしたら、ハイとロウを行ったり来たりする毎日。そして、2000年や2001年は結構精神的にハイが続いて、去年はほぼロウでした。で、本気で悩む訳ですよね。病気じゃないような気がするし、できれば自己管理の中で治したい訳です。自分のペースを掴むっていう意味では、やはりこれは自分で克服しなきゃ!ってずっと思っていました。
 中学高校時代はピアノ弾いたり、即興で曲を歌い上げる事で大体解消できたのですが、学生時代は、自分一人では収まらず、大体女の子に電話していました。女の子と話すというだけで、僕は舞い上がっていたし、なんせ、女の子達は男の子達とは違った視点観点でモノを話す訳です。新鮮でなりませんでした。それは今でも同様な気持ちで候。
 ただ、僕もこの歳になると、僕自身はどうって事ないんですが、僕の周りの女の子も嫁入り前だったりします。そうなると中々、ステディーに長電話って訳にもいかないし、第一電話で解決できる心理的状況ではもうないんですね、僕は。必要なのは、もっと奥深いものだったり、安寧だったり、それは恍惚だったりする時もあるのね。「セックスかよ!」って言われてしまえばそれまでなんですけど、それもちょっと違うので、誠に説明し辛いんで、ここはカットかな。だって、分かる人にしか分かんないし、分からない人には全くもってして分からない事だから。
 まぁ、でも女の子に安易にセックスを求める程僕もイケテル奴でもありません。僕は野暮な所があって、それこそ気を遣う野暮な男です。それが仇でなかなかお洒落な事は言えません。まぁ、お洒落がいいか野暮がいいかって、僕は野暮で充分満足してるんで、いいんですが。
 そうそう。で、女の子に快楽を求めるのは難しい、と。音楽も既に、簡単に片付けられない存在のものであるしぃ〜。で、そう。ここで「読書」が登場する訳です。読書。いいですよぉ〜。

 って、何がいいかって、取り敢えず、悩んだり迷ったり孤独に陥ったら、本でも読んでみて下さいよ。枕元に一冊。夜更かしする事はあっても、「悩んで眠れない」って事からは免れる事ができるのです。

20030224 22:04pm
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 ♪電話のすすめ♪


 人はどこまで感情を押し殺す事が出来るだろうか。怒りや嫉妬、恨みや疑念、不信感。こっちから探さなくても向こうからやって来る。勿論、渋谷ハチ公の交差点で人込みがぶつかる事なく行き交うように、僕らはそういった障壁や塵や埃を避ける術を知っている。何が正しいとか悪いとかいう問題ではない。だからこそ、それが自分にとってどうかとか、心地好いかどうか、って見極めるのは困難だったりする。殊更理想を追い求めるとね。

 何を話したいんだろう。僕は。多分ここ12,3年間の事を話したいんだと思う。そしてその間に感じて来た事(=拾って来たわだかまりやどうしても納得できないと自分なりに素直に感じる点)をどうにかして、僕の生き方の先から取り除きたい。勿論進めば進む程、やってくるもの、というのは認識している。だからこそ、はっきししておきたいんだ。

 もう一度言う。誰が悪いという事でもない。何が悪いという事でもないんだ。これを読んだ貴方は「え? これって俺の事?」って感じる部分もあるだろう。でも、そうじゃないんだ。そういう特定の事を述べている訳ではない。仕事、恋愛、友情、音楽、創作、仲間、旅、食事、異文化コミュニケーション、地域社会、勿論政治経済や犯罪、博愛主義含めて、何かこう、何か、なんだ。

 つまる所、結局、自分のスタンスをはっきりするのが一番なんじゃないか? って事だ。そう。無理に結びつく必要はない。部活や義務教育、会社にしたって、所属する事で苦痛を味わうのって、どう? 勿論忍耐は必要だし、学習や協調性も必要だろうけど。でも、結局は貴方なりの価値観や貴方なりの常識、方向性が大切なんじゃない?

 嬉しい事、楽しい事、こんな事、あんな事。感情って通り過ぎてくれるものもあれば、心のどこかに棲み着くものもある。それが自分にとって心地好いものは思い出や意志、夢、希望、ヴィジョンとして反映されたりする。窮屈に感じたり、心地好くなかったりすると、どうにかして、溢れるマイナスの感情を処理したい。

 僕は、 中学高校時代はピアノ弾いたり、即興で曲を歌い上げる事で大体解消できた。でも、そう。音楽は既に今、簡単に片付けられない存在。そういう時は、電話がおすすめかな。もう、言葉に出すしかないでしょ。そうすればかなりすっきりするよ。すっきりして、はい、次。そう。次の人生のステップを踏もうよ。歩いてゆこうよ。ね。

20030317 20:39pm
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 ♪旅のすすめ♪


楽園ピース  どれくらい時が経っただろうか。僕は今、海岸線に来ている。ここは楽園である。海には僕しかいない。でいて、光が面白いように海面や砂浜を映す。時が止まったようだ。僕は浮かび上がって出来た島で一人「うぉー!!!」と叫んでみる。空が心地好い。

 この瞬間を大切にしたい!って、ありますよね。そう。僕はだからそこでなんだか嬉しくなって、一人で自動シャッターで爽やか青年を演じたり、風に吹かれながら、クラシックギターを爪弾く。そうやって出来た曲の数々はいつか発表されると思う。その感覚で出来た曲とかが「Island」だったりする。まぁ、実際ライブでは重く演奏したりしてるけど、原曲はかなりカラフルな爽やかな曲だったりする。空と海という光一色なのだ。

 僕は一体あの頃、何を求めていたんだろう。でも、求めていた以上のものを得て帰って来た事は事実だ。一体僕に何が起こってしまっていたのだろう。今では些細な事だったのかもしれないな。って、実際はどうしようもないジレンマに陥っていた事は確かだ。“もう進まない”って思う事は、、、あるよね。あるでしょ?

 必然的にどこかに出掛けたくなる。そういう時に旅立つ先では、必ずといってもいい程、必然的に大切なものを得る。「音楽やっている人に悪い人はいねぇ〜」とおばあちゃんに言われたのもこの旅先だった。

 同じ階に泊まっている女の子達が眠っている僕の部屋の戸を叩く。「ねぇねぇ」と嬉しそうに顔真っ赤にしながら言う。「ギター持ってるじゃない? 何か演奏してって、おやじさんが言うのよ。来てよ。」 民宿の宿主の本家に上がらせて貰う。酒が振る舞われた。多くの人達がいる。「死んだおじいちゃんは音楽がとっても好きでな。サンシンの名手だったんだ。君のそのギター、おじいちゃんに聴かせてやってくれないかな。」 どきどきを紛らわそうとさっきから泡盛ガバ飲みの僕は気が大きくなって、「よぉ〜し!」と気合い入る。旅の恥はかき捨てだ。

 「一昨日、海岸線で作った曲なんですけど、、、まだ歌詞付いてないんですけど、、、僕の言葉で歌わせて貰います。」 畳の大広間でギターをかき鳴らす僕。

 ファ〜ニヘ〜 フィンナァ〜デ〜 アンヴェニ〜 ロンマイガ〜ニッソ〜ン ライナ〜♪

 5分という空間を感じ終えた時の、居合わせた人達の眼差しは、忘れられない。

 異文化に接する時の興味と好意。ライブ演奏をしている今でさえ、5分もの間を僕の言葉で埋め尽くす、なんて事はやってない。ちょっとはやってるけど。関係ないけど、沈黙の後の大きな拍手って好きだ。その沈黙を肌で感じるのが好きだ。神秘。静寂。

 別の島で、「おい! 少年!」とか言って来る宿主の所にお邪魔する事になった。朝、着いた途端に、「海行くぞぉ〜」って事になって、そこでウニを食べる。夜は20人くらい集まって宴会が開かれている。泡盛が振る舞われる。「飲め飲め〜♪」 みんな気持ちを素直に自己紹介したりする。僕はどこか自分自身を出せないでいる。自身の異質さに居心地の悪さを感じる。でも、そんなのも時間の問題だった。「君は絵描きかい?」という問いで口火を切られて以来、僕のVisionが丸出しにされた事は言うまでもない。それ以降、どんどんみんな素性が割れて来る。人生をあきらめてこの土地にやって来た者。勿論、みんな旅人であるため、多くは自身を探しに来ている。「私は汚いのよ、ほんとは」「俺は横浜出身でなぁ〜」 勿論、無口な人もいるし、にこにこ笑っているだけの人もいる。僕なんかは結局、自身で率先してどんどん泡盛を注ぎ足す。「お前、結構飲むなぁ〜。飲め飲め♪」 沢山写真撮った。今もまだ、その宿のスクラップアルバムに僕は居るだろうか。

 人にはそれぞれの道がある。それぞれの進む道がある。それぞれの進んでいる道がある。それぞれの止まる事のできる時間さえもある。戻る事だってできる。僕はあの当時、これからどう進んでいこうか、と思い悩んでいたのだと思う。そして、美味しいものを食べ、美味しい空気を吸い、神々しい光景、人々の温かみに触れる事ができた。そのお陰で僕は、僕自身に立ち返る事ができた。

 あきらめたっていい。汚くたっていいんだ。下手だっていいし、上手くなろうとしなくたっていい。結局、僕が人間として生きている限り、伝わるかどうか、だ。伝える事ができるかどうか、だ。伝える気持ちがあるかどうか、だ。

 共感や感動っていうのは、それは、僕の場合、音が空気に放たれて振動して人に伝わるかどうか、だ、と。その人の心を震わす事ができるかどうか、なんだ、と。

 もし、貴方が。。。もし、気持ちが塞ぎ込んだり、どうしようもなく生きていく事に疲れを感じたら。。。人を信用する事ができなくなったら。。。生きる欲、求めるもの、何をやっていいか分からなくなったら。。。ただただ「わぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」っとなってしまったら。。。

 僕は旅をお薦めする。

20030323 23:51pm
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