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  私的随喜    Private Column
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おおわだ オーケーベイビー 出会ったら 巻き戻し
続『from here on』特集




6月1日掲載 〜ヒーローインタビュー〜   6月5日掲載 〜ヒーローインタビュー〜   6月12日掲載 〜ヒーローインタビュー〜   6月27日掲載 〜ヒーローインタビュー〜



〜ヒーローインタビュー〜


下記は2004年初夏に発売予定の『from here on』に関するインタビューである。


記者:表紙のジャケットがいいですよね。笑ってるあおきさん。そこから光がこぼれていて、右上のグラフィ
   ックと相まって、未来へ向かっていくような。あおきさんが微笑んで、対峙する私達は未来へ向かって
   いく、ような。

あお:うまいですね。そうですね。『from here on』というフィルターを通して、未来へ、っていうか、希
   望ですね。その人なりの光へ向かう事ができればいいんじゃないかな、って。

記者:過去、現在、未来、みたいな(ニコ)

あお:そう。時間軸と感情軸。そもそも『from here on』のタイトルそのものが「ここから」とか「これか
   ら」な訳ですよね。それは「ここがないと始まらない」「誰しも過去は存在して、現在を生きて、未来
   へ向かっている」「自分という核を見つけて次なる未来へ進む」っていうメッセージでもある訳です。
   「土台がしっかりしてないとくずれちゃうよ」って事かもしれないし、「過去」って「懐かしい、悲し
   い」という枕言葉みたいなものじゃないですか。そこから「期待感、嬉しい」っていう意味を持つ「未
   来」へ向かっていく、そういう軌跡を描きたいなぁ〜って感じてます。それは"世界ブルー"の活動、僕
   の生きるスタンスそのものでもある訳ですね。

記者:かっこいいですねぇ〜。

あお:とか言っても、実際、そういうコンセプトっていうのは、僕だけで形成した訳ではないんですよね。例
   えば、タイトルも最初は『from here』だった訳です。それを学生時代の友人のmiminaさんに尋ねた
   所『from here on』がいいよ、って事になって。ジャケット内にある世界ブルーからのメッセージ
   あれは僕の日本語文を彼女なりに意味を込めてくれて英語に訳してくれたものなんですね。また、曲の
   英語タイトル。「Raining from Yesterday」「Sky on You」「Coming to You」「Whispers in
   the Morning」「Sky So Blue」
は彼女によるものです。どれもお気に入りなんですが、嬉しくなって
   しまうのが、最初と最後の曲名。「Raining from Yesterday」で始まって「Coming to You」で終
   わる。なんか好くありません? これこそ僕の求めていたコンセプトだし。さっき述べさせて頂いた
   「過去」から「未来」、「悲しみ」から「期待感」、そんな時間軸や感情軸がしっかり出来上がったっ
   ていうか。その中で、恋愛であったり、夢であったり、日常が普遍性っていう帯で溶け合ってて、それ
   こそ"世界ブルー"の世界観じゃん!っていう。

記者:なんだか話がでかくなってきましたね。よく聞かないと。。

あお:で、面白いのは、僕の"世界ブルー"や『from here on』に委ねているもの、大和田さんによるデザイ
   ン、miminaさんによる英語タイトル、すべてが重なったって事なんですね。あぁ〜、これコンセプト
   アルバムだ、って強く感じたのはその重なりに気付いた時です。

記者:面白いですねぇ〜。

あお:多分、今回の写真を撮ってくれたmayuponもそうなんだけど、みんな大切な友達と関わらせて貰って
   マスタリングの成田さんもそうだけど、みんな気心知れてるっていうか。だから、自然と僕のやりたい
   事、成し得たい事、表現したい形を分かってくれてる、っていうのが嬉しいですよね。mayuponに撮っ
   て貰ったのって実は、それこそ1999年や2000年当時の僕だったし。その頃にはもう「通り雨」や
   「Love Me Yes!」「Ever Lasting」以外のバッキングは出来てた訳ですよ。なので、過去でもあり、
   現在の僕でもあり、未来へ対する投げ掛けでもあり、っていう。時間と感情、まぁ気持ちですね。大切
   な気持ち。音楽活動を始めてから今に至るまでの集大成。それが『from here on』。どうですか?
   これ答えになってますかねぇ。


☆☆☆編集後記☆☆☆

 今回のインタビューでようやく、何故『from here on』というタイトルが付いたのか、分かった気がする。それは、単に「こうしよう」っていう企画的な発想なのではなく、これまで生きて来たあおきさん、そのものなのではないか、と思わざるを得ない何かおっきなものが見えました。彼の描こうとしているVisionなのか、それとも生きざまなのか。今後より彼に密着してその辺、迫ってみようかと思います。お楽しみに!!

(文筆&構成:Picrin)
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〜ヒーローインタビュー〜


下記は2004年初夏に発売予定の『from here on』に関するインタビューである。


記者:今日も宜しくお願いします。

あお:こちらこそ。

記者:さてさて、この『from here on』の一曲目「通り雨」なんですけど、透明感のある曲ですよね。

あお:ありがとうございます。

記者:これはやはり、"世界ブルー"ならではの世界っていうか、あおきさんならではの声っていいますか。

あお:のっぺらとした声って事でしょうか?

記者:良い意味で、ですよ(笑) 力の抜けた。欲のないっていうか。。

あお:全体的のトーンとして、脱力感バリバリかもしれませんけど(笑)、特にこの「通り雨」は僕個人的に
   は一番好きな声ですかね。

記者:ほぉ〜。私は「Ever Lasting」や「忘れない」も好きですけど。

あお:ありがとうございます。そうですね。「Ever Lasting」も好きかな。自分でも好きな声嫌いな声って
   あるんですよ。まぁ、ほぼ好きなんですけども(ニヤ)

記者:自分的にイケてるかイケてないか、っていうのは作品において重要ですよね。

あお:そうなんですよ。例えば「クリーム&シロップ」の過去のテイクは音程ズレてるけどイケてる、とか。
   「通り雨」も実はこれ、聴いて頂ければ分かるように「空が青いのは」の旋律に歌詞を変えたもの、で
   すよね。サウンドとして編曲って感じで「こういうのもいいなぁ〜」なんて思ってて、急に言葉が出て
   来て、、、で、すぐに仮歌として歌い込んだテイクが本チャンになったという。

記者:そうなんですか。

あお:そう。いくらなんでもこんなに力の抜けた声って、僕でさえ出せませんもの。確か、床に寝そべったり
   座って壁(この場合はベッドのカーペット)に寄っかかって歌ってるんですよ、これ。

記者:そうなんですか。それは、こだわりなんですか?(笑)

あお:ですね。まぁ、大体、歌入れの時って、端から見ると奇妙この上ないと思いますよ。部屋暗くしたり、
   スタジオで裸足になったり、時には裸になって歌ったりしますからね。

記者:スタジオでですか?!

あお:いえ。自分の部屋。で、単に裸だったらまだかっこいいけど、ズボンだけ中途半端に下ろして歌ったり
   とかね。色々工夫してるんですよ。

記者:工夫っていうか、変ですよ、それ。

あお:まぁ、これがセルフプロデュースの妙ってやつですかね(自信満々)


記者:この「通り雨」が一曲目っていう理由みたいなものはあるんですか?

あお:ありますね。最初から「通り雨」で始まり「忘れない」で終わる、っていうのは決まってたんですよ。
   「忘れない」はドラマのエンディング曲のように流れて欲しいっていう気持ちがあったし。そして、実
   は「通り雨」って「忘れない」のドラムテイクを引用してるんですよ。

記者:引用っていうのは? つまり、同じ渡辺さんのドラムって事ですか?

あお:そう。「忘れない」のドラム、渡辺さんことYASSYに4テイク録って貰ったんですよ。で、その2番目
   から4番目のテイクを「忘れない」に活かしてるんですけど、1番目のテイクもなかなか捨て難くて(笑)

記者:勿体無いお化けですね?(笑)

あお:そう。やっぱり、骨の随まで食べ尽くす、みたいな。

記者:あおきさん長生きしますよ。

あお:そう願います。で、ちょうど「空が青いのは」をクールにポップにしたいなぁってかねてから感じてた
   んで、その「忘れない」の1番目のドラムテイクにベースを重ねて「空が青いのは」のポップバージョ
   ンを作ってみたんです。で、さっきも述べましたが、急に言葉が出て来て。。しかもその歌詞が自分的
   にちょっと、いや、かなりぼろぼろ泣けたんで(笑)。「あ、これ絶対『from here on』の一曲目!!」
   って。

記者:じゃあ、つまり、「通り雨」は「忘れない」と「空が青いのは」から生まれた、と。

あお:そう。付け加えると、ギターのフレーズなんかは、「Ever Lasting」から来てるんですよね。

記者:わぁ〜。しかも、「空が青いのは」「Ever Lasting」「忘れない」って、ラストの3曲じゃないです
   かぁ〜。

あお:そう。「通り雨」の温度が一番『from here on』を伝えているかな、って思います。しかもシンプル
   に。

記者:「Raining from Yesterday」で始まり、「Coming to You」で終わる。なんだか、より『from
   here on』の世界が見えてきましたよ。今日はありがとうございました。

あお:おおきに。


☆☆☆編集後記☆☆☆

 「通り雨」一曲で『from here on』が分かる。そうおっしゃるあおきさん。実際、この曲のオープニングは空を感じさせるような、一瞬涙なのかな、とも思ったけど、あぁ、悲しみが通り過ぎた後の晴れ間かな、とも感じました。それがきっと『from here on』の幕開けでもあるのですね。曲の順番って結構重要なんだ、と改めて認識しました。

(文筆&構成:Picrin)
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〜ヒーローインタビュー〜


下記は2004年初夏に発売予定の『from here on』に関するインタビューである。


記者:前回「通り雨」を聴けば『from here on』が分かる、とおっしゃってましたけど、「Love Me Yes!
   や「Make Me Happy!」さらに「Your Love is Over〜」なんかはどちらかというと打込色が強いとい
   うか、また異なる印象を受けますが。

あお:そうでしょうね。「Love Me Yes!」なんかはもっと後々のアルバムで蔵出ししようとしてましたけど、
   でも、インパクト欲しかったんですよね(笑) で、やっていくうちにどんどんピコピコしだしたんで
   すよ。最初はピアノとバイオリンとが絡み合うロック、という感じで攻めようかと思ったんですけど。

記者:結構、宇宙チックというか。音としてはダサい音も使っている割には全体としてかっこいいですよね。

あお:でしょ? ダサカッコいいでしょ? いや、単にcoolって形容されてもそれはそれで嬉しいですけど
   も。こういう世界これからやっていきたいなぁ〜っていう気持ちが最後の最後で出ちゃったんですね。

記者:というと、これは時期的には最後の方に作った曲なんですか?

あお:そうですね。打込の音としては、この曲が最後。

記者:「Love Me Yes!」で一番聴いて欲しいとこってどこですか?

あお:愛してくれ!って感じですかね。俺の事愛してくれ!イエス!みたいな。

記者:ほほう。息吹きを感じてくれ、みたいな?(???)

あお:俺が俺であればそれでいいじゃない!みたいな(!!!)

記者:恐いですね。そういうのを世の中では宗教っていうんですよ。

あお:まぁ、音楽なんて宗教みたいなもんですよ。「君たちの知らない世界へ連れていってあげよう」って気
   持ちが強くある訳だから。

記者:まぁ、知ってる世界へ連れて行かれても、なんのロマンも夢もありませんもんねぇ〜。でも、あおきさ
   んの世界って、「新しい」というよりはどちらかというと「懐かしい」感じがするのは私だけでしょう
   か?

あお:いいとこ付きますねぇ〜。僕としては新しい事をやろうとは思ってるんですよ、これでも。でも、耳が
   ね。どうしても、こう、ローテク感っていうか、、、真空管通った音が好きっていうか、、、かすかな
   ノイズが入った感じが好きなんですよ。それは所謂「古い」訳だけど、まぁ、あんまし「新しい」「古
   い」って意識してなかったりして。それこそ「俺は俺の創りたいもの創ればその作品も俺じゃない?」
   みたいな。

記者:それを世の中では宗教と呼ぶ!!


☆☆☆編集後記☆☆☆

 やはり作り手というのは、思い描く世界観を具現化するために貫くパワーっていうのが必要なんだ、と感じました。つまり、エゴを貫く、という事でしょうか。我が強くないとミュージシャンはやってられないんだろうなぁ〜とさえ感じさせられました。でも、あおきさん、いつまでもいい人でいて下さいね。

(文筆&構成:Picrin)
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〜ヒーローインタビュー〜


下記は2004年初夏に発売予定の『from here on』に関するインタビューである。


記者:今回は歌詞についてちょっと伺いたいのですが。

あお:はい。

記者:以前出された『21世紀クラシクス prepared...』の曲解説に"初めてセックスした時の感触"みたいな事
   書かれていましたよね。

あお:あぁ、「白熱灯と君」ですね。

記者:はい。

あお:白熱灯と(部屋のライトを指差す)、、、君!!!(記者を指差す)

記者:はい。。。ありがとうございます。。。

あお:初めてのセックスがいつ? なんて質問はやめて下さいよ。

記者:してません! ただどういった感触が「白熱灯と君」の世界に反映されたのかを御説明願えますか?

あお:宜しいでしょう。まぁ、具体的には言えないんですけど、まず、初めてのセックスはとっても気持ち好
   かったんですよ。

記者:はぁ。。。

あお:そういう点では僕は恵まれていたのかな、とか感じてますけど。

記者:そうですよね。初めてのセックスって大概、無味乾燥だったり、そこまで描写できる程の余裕がなかっ
   たりしますもんね。

あお:これ、変な話なんだけど、感触はその子とのエッチに影響を受けてるんですが、光景としては別の部屋
   が浮かんでるんですね。

記者:それはどこですか?

あお:それが言えないのが残念なんですが。。。ただ、朝のうすら灯り。ふたりベッドにいる時に見えた、朝
   の暗がりは今でも覚えていますよ。その視線の角度とか。もやもやぁ〜っとした空気の粒子とか。単に
   コンタクトレンズしてなかったから、っていうのもありますけど(※あおき氏は両目の視力が0.1以下
   である)。

記者:歌詞に出てくる「君」というのは、では、その初体験の相手という訳ではないんですね?

あお:光景はA子さんの部屋。感触はB子さん。で、歌詞が浮かんだのは山手線の中。

記者:山手線の中?

あお:電車の中って結構言葉が出てくるものなんです。

記者:そうですかぁ〜。最後のくだり、「空の奥で笑っていてくれたね」って何だか悲しいような気もするん
   ですけど。。。でも、もう一つ別の曲の「君が空を泳いでゆく」は同じく「君」が「空」と近い場所に
   いるのに、悲しくない、というか。

あお:まぁ、受け手の皆さんに任せますが。「白熱灯と君」は梅雨時に作ったのに対して、「君が空を泳いで
   ゆく
」は夏の沖縄で生まれた曲なので、ニュアンスは全然変わってきますよね。

記者:いいですねぇ〜。沖縄。カモン!オキナワ!

あお:"青い街"を"土曜の朝のドライブ"とかしてみたいですよね。

記者:通称「君空」に関してですけど、「君のファンデーションがこびりついた どうしたんだい? 僕は」
   って凄い上手い描写だなぁ〜って思うんですが。

あお:実際は中高の友人の植野君とふたりで旅行した訳ですけどね(笑)

記者:この曲の情景としては、助手席に女性が座っていて、あおきさんが運転して、って感じですよね。

あお:はい。でも、僕ペーパードライバーなんですよ。無気力無運転っていうか無力非力者っていうか。

記者:はぁ〜。

あお:留学中に車線っていうか、走る方向が左右逆じゃないですか、アメリカって。それで日本に戻って来た
   ら、恐くって運転できない、って。しかも、東京に引っ越してきてなおさら混雑して恐くて運転できな
   い、って。そう理由付けしてるんですが、単に車が恐いだけです。運転が恐い。無力非力者っていうか

記者:はぁ〜。

あお:なので、彼女を助手席に座らせて、この際敢えて"座らせて"って表現使いたいんですけど、座らせて、
   僕がすいすい運転して、っていう。そういうシチュエーションは憧れますね。しかも、夏の沖縄でレン
   タカー借りて。イケイジマとかへ行く海中道路とかを突っ走る訳ですよ。北谷町とかをブーンと横切る
   訳ですよ。で、「君とfine day♪ 純な〜こ〜む〜ぎ〜色の肌見せて〜今も〜♪」って。

記者:。。。なんだか幻想に近いですね。

あお:アーティストなんてみんなそんなもんですよ。

記者:私には今、あおきさんが空飛んじゃってる姿が浮かびますよ。笑いながら。


☆☆☆編集後記☆☆☆

 あおきさんは妄想家。でも、きっとアーティストはその想像したものを強く思い続けて貫く事で、世界を具現化するに違いない。思い込みっていうか、自信っていうか、そういうイメージを自身に引き付ける磁石を持っているのだな、と感じました。

(文筆&構成:Picrin)
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