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  私的随喜    Private Column
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好みのタイプよりも 君が好きです ホワイトリキュール


10月11日掲載 〜ホワイトリキュール〜  10月13日掲載 〜ホワイトリキュール〜  10月15日掲載 〜ホワイトリキュール〜  10月16日掲載 〜無題〜 by kent  10月17日掲載 〜ホワイトリキュール〜  10月19日掲載 〜ホワイトリキュール〜


♪ホワイトリキュール♪


その子とは、何で知り合ったのかって?
僕のメールボックスに、一ヶ月間以上も放置されてたんだ。
「あなたの事好きかもしれません」

僕はその頃、出会いを求めていた。
ずうっと一年間部屋に隠っていたし、気持ちは中原中也。
ローテクな僕はパソコンという代物を購入する。
世の中はインターネットが普及。僕も試してみる。
出会い系サイトというものに興味を抱く。早速試してみる事に。

彼女が欲しかった。一緒に川沿いを歩きたかった。
その子とは、代官山のギャラリーで初めて会う。
何度か電話で話す。
とある、芸大の学園祭に行く。
教室にある展示物を見ては、次の教室へ。

僕は、パッションが欲しかったのか?
刺激が欲しかった。でも、それはセックスではなかった。
駆け引きでもなかった。
単に僕は自分の音楽と融合できるArtを求めた。人を求めた。

その子とはそれ以来会っていない。お互い連絡をぷっつりとやめた。

きっと、僕は、ただ、ほんとに誰かと歩きたかっただけの風みたいな奴だった。

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♪ホワイトリキュール♪


初めて会うその人と映画を観に行く。何の映画だっただろうか。。
何歳年上の人だったのかも忘れた。真面目で控えめ、落ち着いた感じの人だった。
「夜の静けさ」について、「どうしようもなく感情をどこかに放出したい」気持ちについて、、、

本音、家庭、現実、夢、感性、感情、、、

映画を見終わった後、洒落たイタリアンでランチを。
緊張などはなく。。彼女はちょっと緊張していたかもしれない。
ただそのシチュエーション。ただ夢の橋を架ける気分。

「あなたって変わってる。」

僕は彼女を求めなかった。。
そう。僕は、ただ、ほんとに、誰かと話したかっただけなのかもしれない。
風みたいな奴だった。

その後もメールでのやりとりは続いた。
でも、会ったのは一度だけだ。
家庭の事で忙しいという。
僕は音楽により傾倒して、「出会い」どころではなくなっていった。
そうして今は音信不通だ。

何もなかった。何も求めなかった。僕は間違ってた?
ううん。僕は僕の好きなように流れてゆくだけ。
ホワイトリキュールでも飲もうかな。

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♪ホワイトリキュール♪


彼女が偶然、同じ車両に飛び乗って来た。
嬉しいな。僕は当時、彼女の友人に多少恋心を抱いていた。
よく電話で話していたけど「好き」の一言が言えなかった。
だって、一緒に食事もした事ないし、ただ構内で時たま挨拶を交わすだけ。

電話は緊張する。っていうか電話する事自体、下心ありだよなぁ。
わざわざ電話帳で調べて「おっす」だなんて有り得ない!

いつしかその子への恋よりも、僕は夢想に耽る事に興味を抱いた。
当時の言葉。「回帰現象」
そう。僕は幼少期に回帰する心地良さを覚える。
そしてその夢に出て来るのは、、、

彼女とは時たま偶然に同じ車両になる事があった。
彼女は学内でも「可愛い」との評判で。。。
今思えば、僕もいつの間にか。。。

恋っていうのは、自分では計り知れない所で動いてゆく。
氷の入ったタンブラーに炭酸水を注ぎ込むと、水面が一気に盛り上がるように。。
と、同時に、氷は溶けて、音をたてるように。。

彼女に最後まで恋心を伝える事はなかった。
というよりも、大学時代は「好きだ」なんて言えなかった。
勿論、言った事ないなんて言わせないけど。

偶然を装おう。そういう事ってないですか?
偶然出会った風に、「おはよぉ〜」って事ないですか?
勿論バレバレなんだけどね。そんな場所で普段会いっこないんだから。

「自然に」が苦手。どうしても「振る舞う」
堅い。真面目。度真面目。
結局、ごくごく親しい野郎仲間の間でのみの「俺」
それ以外では、至極当然のように「真面目」のレッテルが。。

最後に彼女に会ったのは、いつだったか。
そう。電話したんだ。内容は言わない。だって真似されるの嫌だもん。
近くのコンビニで会って、、、二年ぶりくらいだったけど、可愛かった。
愛想の好い彼女は快く。。。でも、結局、どこかの喫茶店でゆっくりお茶って訳にはいかず。。。

今頃きっと、素敵な旦那さんと幸せに暮らしている光景が目に浮かびます。
幸せになれよ。俺も、そうなりたい。

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♪無題♪


「・・小学校5年生くらいの時だったかな。あの頃ってさ
ゲーセンに行くの学校で禁止されてたんだよ。
でも、ダメだって言われると余計行きたくなるじゃん?
いつも友達と行ってたんだ。
一緒に行ってた奴、ユージって言うんだけど
なぜだかいつも金持ってたんだよな。
千円とかオレにも気前良くくれるわけ。
いまになって思えば、子供がそんなに金持ってるわけないのに
なーんにも考えずにもらってたんだよな。
家とか金持ちなのかなあ、なんて思って。

それがあるとき、ついに学校にゲーセン行ってることがバレたんだ。
オレも、もちろんユージや他の奴らも見つかっちゃって。
両親とかも呼び出されたんだ。

そのときはじめてユージの家は母子家庭なんだって知った。

あいつの母さん、細くて、すげーキレイなひとだった。
オレんちの母親なんかとは大違いでさ。
母親というより、女って感じだったな。
まあ、もちろんその頃は小学生だったから
そこまでわかんなかったけどさ。

それで、その日はそのまま両親に引きずられて家に帰った。
数日後、また問題が起きた。
どうやらユージは、母親の財布から金を抜いてたらしいんだな。
つまり、オレはあのひとのお金を使ってたわけだ。

オレの母親が、ちゃんとユージの家に謝りに行こうって
名簿の住所を頼りに訪ねてみたんだ。

信じられないくらい狭い部屋だったよ。
6畳一間、いや、もしかしたら6畳もなかったかもしれない。
すっげーボロボロのアパートで
なんかへんな匂いとかもしてて
そんな狭い部屋に、ユージと
母親と、ばーちゃんの3人で暮らしてた。
貧乏って、こういうことを言うんだなあって
ぼんやりと思ったことを覚えてる。

それにオレ、母親が泣いたの見たの初めてだった。
「うちの息子が使ったお金は返します。すいませんでした」って
頭下げて謝ってた。

オレは、泣けなかった。

悪いことしたっていうのは分かってたけど
ユージの母親の前でどんな顔をしたらいいか
分からずに、ただただ下を向いてた気がする」

by kent (from "SekaiBlue" FreeMix Vol.001)
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♪ホワイトリキュール♪


高校時代は正直もてた。
当時の写真を見る。え? なんで?
超堅物な俺。直毛眼鏡チビ歯の矯正。まじでもてたか?

もてる事には馴れてる。小学校時代はそのお陰でよく泣かされた。
今思えば、「えっへん!」って威張れば好かったものを。。
「あいつ、お前の事好きらしいぜ!」ってなって、みんな僕とその子をくっ付けようとする。

だからだろうか。。。マスが嫌いなのは。。。嫌に厭世的な俺がいるのは、そのせい?
逆に中学になると仙人のよう、と言われたりする。。。

コンプレックス。complex
辞書で引いてみる。complex=劣等感、ではない。
正しくはinferior complexだ。

自信だけはいつもあった。
思春期過ぎてからは、僕にはあるものが付きまとったからだ。
教えて上げない。真似、、、できっこないけどね。。。
恥ずかしいから教えて上げない!

「誰に嫌われてもいい」僕はそうやって出来上がった。

僕を好きになる子=僕が恋心を抱く子
この図式はshyであればあるだけ、成り立たない。
だから、最近はなるだけ、equalになるよう生きている。
そう。気を楽にするのがいい。
「どうせ嫌われたっていいじゃん!」ってさ。
人を好きになる事は恥ずかしい事ではないよ。

相手と通じ合う。見つめ合う。抱き合う。キス。セックス。。。
最近してないな。。ま、いっか。よくない!
っつうか、したくてできるもんでもないしな。
こんな事書いたら、嫌われちゃうぞ。いいよ。別に。

「誰に嫌われてもいい」僕はそうやって生きてゆく。

そう。自信だけはいつもある。

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♪ホワイトリキュール♪


とある就職試験の帰り。
プラットフォームで電車を待ってたら、ちょうどその子が僕と同じ会社のパンフレットを持っていた。

列車の中でお互いの希望職種を話して盛り上がる。
何を話したのか忘れたけど、意気投合して終点のプラットフォームのベンチでも話す。
メールの交換をして別れる。

彼女は通過したらしい。
僕は落ちたらしい。

その一ヶ月間はお互い「頑張ろう」「頑張ろう」メール。
就職活動をした事があれば分かるだろうけど、
その時期は、ある意味「素の自分」を発見する時期。
自分で自分を探す事を躊躇わないし、突き詰める。
当然、会社側も問うて来る。嘘は付けない。
だって、恋愛と一緒で嘘付いたら、後が苦しいからね。
能力がどうのこうの、ではなくて、相性だから。。

そんな僕達は、面接以上に自分達を曝け出し。。。そして、、、
いつしか恋に落ちる。

彼女は最初出会った時の会社の最終面接までいく。
その頃僕も、とある大手銀行の最終面接までいく。
二人とも落ちる。
彼女から、とある大手メーカーに通った、とメールが来る。
僕も次の日、希望する会社から内々定を貰う。

祝おう!という事に。

池袋のダイニングへ。ケイカチンシュが美味しい。
結構しゃべる。夢を語る。

目白まで歩こう、という事に。
彼女はしっかりと言う。
「タイミングだよねぇ〜」
「そっかそっかぁ〜」
「今の彼と一緒にいると楽なんだぁ〜 あなたの事も好きだけど」
「ざんね〜ん」

僕が少年時代のキャッチボールの話をしたのは、彼女が初めてだったように思う。
次に話す相手は誰だろう。できれば、通じ合う人であって欲しい。

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