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口笛風景    旅日記より あおきまさと
 
口笛風景 一九九七年 福岡にて

トンボが飛んでいる
タンボが笑ってる
列車が鳴いている
山々がこだまする

Oh Ye!  ウリャウリャウリャ うららか
吹けー! 汽笛のこだまにのせて
風景〜〜 吹け吹け口笛ルラ〜
Oh Ye!  ルリルリルリルリルラ〜
     汽笛のこだまにのせて

線路は続いてる
来た道も来る道も
少女は微笑んで
手鏡かざして可愛いな



蝉の声 一九九七年 秋田にて

ベンチに 腰掛ける
なだらかな 傾斜に沿って
ブランコが ゆれてる
校庭の Music 蝉の声
ミンミンミン ジー

辺り一面を 見渡して
レンズを 景色にあてる
遠くから 迫ってきた
入道雲の 雨降り前 森の声
シュッシュッシュッ トゥー



晴れるや 一九九七年 秋田にて

朝の旅館の静けさを胸に
 外の喧噪で心におとす
  漱石 康成 太宰に続け
   今も書生の旅は続くよ


畳のにおい 起き立ての香り
 今日はどこを歩こうか知れない
  八甲 酸ヶ湯(すかのゆ) 十和田とくれば
   心も晴れるや 空 晴れろ



夕映え 一九九七年 佐世保 弓張岳にて

愛しい涙が 手のひら
すべての願いが かなうよ
一つ二つの しずくが
夕陽を照らして 眩しい

目の前に広がる 島々
君までも微笑む 顔色さ
喜びも悲しみも 二人で
手を握りしめて さぁ 歌おう



鈍行列車 一九九七年 青森にて

どうでもいいような 僕が海を走る
降りしきる海風(あまかぜ) 列車の窓たたく
鈍行列車で直進 曇天模様を
  風にのって走るよ
  旅心 ユラリ 曲がりくねる

泥臭い村が 僕の汗を嗅ぎ取る
錆びついた漁船と 休む踏み切りにカラス
鈍行列車で直進 畑に水たまり
  立ち止まってパチリと
  一枚の 心象風景を 描き始めてみよう

鈍行列車で直進 曇天模様を
  風にのって ユラユラ
  旅心 しきり 走り抜ける
  立ち止まってパチリと
  一枚の 心象風景を 描こうよ
  風にのって走るよ
  旅心 しきり 走り抜ける



ぶ〜らぶら 一九九七年 秋田にて



夢跡 一九九七年 上尾にて

ほこりっぽい土間の 向こうで
冷たい音 響き渡る
円錐形の夢跡
暗がりの奥から向こうへ
誰かが棲んでると 言い伝えられてきた夢跡
光 灯 それは昔あったもの
そんな夢あった

ぬるりとしめった 扉から
たまった滴 汚れた壁文字
昔の記憶--夢跡
なくなてしまったような
そこにあるものは ただの危ぶまれた夢跡
光 灯 それは昔あったもの
そんな夢あった



夏が近づいてきました 一九九五年(推定)



やめてよ 一九九八年

赤いランドセル 追いかけては
馴れた手つきで スカートめくり
「キャー」なんて言って 「やーめーてーよー」
そんな二人は仲良し

「一緒に帰ろ?」なんて声かけずとも
いつも二人一緒に 同じ道を通る
二人だけの畦道を通る

甘い花を吸ってみたりして
はにかみながら「やめてよ」
甘酸っぱい顔してさ
赤い花を髪の上にのせてみたよ
ちょっと嬉しそうに一言「やめてよ」

「さよなら」「またあした」「じゃあーねー」「またねー」
手を振り続ける 手を振り続ける
鈴の音遠く ば〜いばい



ただいまよ 一九九四年 上尾にて

ただいまよー ただただいま いまただよー
ただいまよー ただいまただ いまただよー


旅人よ 風に吹かれて何処へゆく
果てしない 空眺めて明日をゆく

人は皆 我が心の巣を求め 羽を休める
我もまた 愛しの故郷辿り着く

ただただいまよ ohー 旅の垢 脱ぎ捨て
ただただいまよ ohー 我が家路 我が心


旅人よ 何故発つのか 急ぐように
時刻み ただひたすら 明日をゆく

何求め 何を探し 何を見る ああ 限りない
映りゆく景色をおとすよ 我が心の何処かで

ただただいまよ ohー ただいま帰ったよ
ただただいまよ ohー 我が息子 我が妻よ

ただただいまよ ohー 旅の垢 脱ぎ捨て
ただただいまよ ohー 我が家路 我が心



砂時計 一九九四年 富山にて





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